めいきんぐ・おぶ・うぇぶさいと

パソコン通信やインターネットとの出合い
  1. パソコン通信とは?
  2. 当時のパソコン通信
  3. NIFTYSERVEに入る(93年)
  4. 大学で初めてインターネットに触れる(93年)
  5. インターネットとは?
  6. 当時のインターネット
  7. パソコン通信とインターネットの違い





1.パソコン通信とは?

 インターネットは、コンピューターとコンピューターが、回線を介して情報を伝達しあう(通信する)わけですが、このインターネットがメジャーになる前に、別のタイプの通信形態が主役でした。それが俗にパソコン通信というものです。
 パソコン通信とは、広義の意味では、パソコンとパソコンが何らかの手段で通信をすれば、それは全て含まれます。しかし、一般には、パソコン通信を提供する商用通信ネットワークのことを指すことが多かったです。大きなものとしては、NIFTY-SERVE、PC-VANなどがありました。
 その形態とは、まず、誰かが(多くは、サービスを提供する企業)がホストコンピューターを一台(実際は数台かもしれないが)準備しします。その中では、いろいろな情報が提供されたり、掲示板、チャットサービスなどが提供されます。また、各ユーザーにはID番号が付与されますので、ユーザー間でメールでのやりとりもできました。
 利用方法は、ユーザーが、そのホストコンピューターにアクセスして、サービスを受けるというものです。イメージとしては、右側の図の様になります。中央にあるのがホストコンピューターで、周りを取り囲むのがユーザーのコンピューターです。ユーザーはホストコンピューターにアクセスし、サービスを受けることになります。商用ネットワーク(企業がサービスを提供する形態)の場合、アクセスポイントは、全国にありましたが、ユーザーは必ずホストコンピューターにアクセスしなくてはなりません。ユーザーとユーザーが直接つながることはありません。チャットサービスのような、ユーザーとユーザーが直接会話を楽しむサービスも提供されていましたが、これは、ホストコンピューターがチャットサービスを提供し、そこにアクセスした人たちがチャットを楽しむといった形態でした。





2.当時のパソコン通信

 当時のパソコン通信というのは、大手の商用通信ネットワーク系と、個人が開設していたミニBBS系に分かれます。大手の商用通信ネットワーク系というのは、先に説明したようなものですが、個人が開設していたミニBBS系とはどんなものでしょうか。これは、個人が自宅にコンピューターを設置し(この場合は、一般のパソコン)、その中で、BBSプログラムを稼働させ、ユーザーはそのコンピューターのある家に直接電話をかけ、電話線を介して利用するというものです。このような掲示板システムは、当時、結構多く存在していましたが、現在では、インターネット上のホームページ内で、同様のことが手軽にできるようになったため、ほとんど行われていません。
 大手の商用通信ネットワーク系ですが、当時、二大巨頭といわれたのが、PC98の巨大なシェアを背景にPC98ユーザーを多数抱えたNEC系の“PC-VAN”と、アンチPC98ではないけれど、PC98系ユーザー以外を多く抱えた富士通系の“NIFTY-SERVE”です。これ以外にも、ASCII-NET、日経MIX、朝日NETなどがありましたが、主流は先に述べた二つでした。
 当初、PC98パソコンの巨大なシェアを背景に、NECユーザを多く抱えたPC-VANが強かったのですが、その後、パソコン製造企業を問わない汎用機のDOS/V機、さらには、汎用OSのWINDOWS95の登場によって、PC98のシェアと売り上げが下がるとともに、NIFTY-SERVEが台当してきました。
 パソコン通信の形態をのこしながらも、現在でも残っているのは、NIFTY-SERVEだけです。それら以外のものは、全て、インターネット登場とともに、サービスを停止したか、インターネットプロバイダへ衣替えをしました。(ASCII-NET、日経MIX:停止)(PC-VAN、朝日NET:衣替え)。当時のパソコン通信業界の流れからいって、NIFTY-SERVEからシェアをとるのは難しいとの判断で、新たなプラットフォームに乗り換えたというのが、ほんとのところでしょう。
 ただ、パソコン通信業界でトップに立ったためか、その後のNIFTY-SERVE自体のインターネットへの対応と取り組みは、時代の流れから見ると、遅れることになります。




3.NIFTYSERVEに入る(93年)

 さて、自分とコンピューターの通信との最初の出会いは、上で説明したようなパソコン通信でした。NIFTY-SERVEに入ったのでした。当時、まだパソコン通信は、コマンドラインでの入力が主流でした。コマンドラインの入力というのは、画面は、テキストだけの画面で、そこに、コマンド(“open”“close”とかのように文字で命令する)を入力することです。当然、NIFTYも同様でした。パソコン通信を始めた頃、私が使用していたマシンは、アップルのマッキントッシュでした。MS-DOSのコマンド入力がいやで(まだWINDOWSは登場していない)、マックを選んだ様な自分が、どうして、コマンド入力が主流のパソコン通信なんか始めたのかというと、NIFTY-SERVEの中に、利用したいサービスがあったからでした。
 NIFTY-SERVEの中にあった、あるフォーラムに参加したかったのです。NIFTY-SERVEの中には、フォーラムと呼ばれるいくつものジャンル分けされたテーマ別になった場所があり、それぞれのテーマに興味のある人たちが集まれるようになっています。その中には、会議室と呼ばれる、現在のウェッブページ上では、掲示板と呼ばれているものと同様のものがあり、そこで、色々な情報を交換したり、討論したりできるようになっていました。
 大学生時代、生物学系の学部にいた私は、NIFTY-SERVEの中にあった“バイオフォーラム;BIO-FORUM”というフォーラムに参加したいと考えたのでした。どちらかといえば、分子生物学や遺伝子工学など最新の話題を扱うことの多かったこのフォーラムでは、最近の学界の潮流や、実験上のノウハウ、新製品の紹介など、大学の研究室の中だけでは、手に入らないような情報が得られたので、重宝すると考えたのでした。
 NIFTY-SERVEに入会してからは、当然、すでにJリーグは始まっていましたから、Jリーグの話題の乗っているフォーラムや、サッカーのフォーラムも利用しました。また、マッキントッシュを使用していたので、マック関連のフォーラムも利用しました。NIFTY-SERVEに入会した頃は、まだ、インターネット経由で、フリーウエアやシェアウエアのソフトを入手できなかったので、NIFTY-SERVE内のそれらのソフトウエアライブラリは重宝しました。
 NIFTY-SERVE自体には、非常に満足したのですが、うまく利用できるまでが結構大変でした。なんせ、電話線を介して行う通信はこれが初めてだったので、よくわからず。周りに聞ける人もいなかったので、モデム?、通信レート?、無手順?、bps?、ATコマンド?、何じゃそりゃ?、てな感じで、全て手探り。設定を少しいじくるだけで、繋がったり繋がらなかったり、しかも理由がわからないから、四苦八苦。現在は、どのパソコンを購入しても、丁寧な説明が付いていたり、あるいは簡単に接続できるような設定にあらかじめしてあるので、こんなことはありませんが、何事も最初は苦労するという例ですね。




4.大学で初めてインターネットに触れる(93年)

 パソコン通信のNIFTY-SERVEに入会した頃、実は大学ですでにインターネットに触れ始めていました。とはいえ、現在のインターネットとはかなり異なるものでした。現在では、インターネットといえば、電子メールとウェッブページをほとんど意味しますが、当時はウェッブページはまだ登場したばかりで、ほとんど使い物にならず、電子メールといっても、電子メール用のソフトが充実しておらず、使い勝手の良いものではありませんでした。
 元々インターネットとは、inter(間とか、相互に、といったニュアンス)とnet(ネット)を組み合わせた新語で、ネットワークとネットワークを相互に結ぶもの、或いはネットワークとネットワークの間にあるもの、といった意味の言葉です。すなわち、ある所にあるコンピューターと、遠くにあるコンピュータとを結んでしまおうというものです。従来は、電話回線を使ったりしていたのですが、それとは全く別のシステムです。
 で、当時大学生だった私は、研究上、必要だったので、このネットワークを使用して、大学から離れたところにあるデータベースサーバーにアクセスしたりしていました。国内はもとより、アメリカやヨーロッパのサーバも利用さしてもらいました。従来、このようなデーターベースサーバーを利用する場合、CD-ROMになっているものを購入したり、と、時間もかかるし、コストもかかる方法しかなかったのですが、インターネットを利用すると、そんな必要がないので、便利でした。
 ただ、このころは、まだ、全て、コマンドライン入力で操作しなければいけませんでしたから、その点だけでは、不便といえば不便でした。電子メールアドレスなどもすでに持っていましたが、他に持っている人が少ないので、あまり使うこともできず、しかも、コマンド入力でしか使用できないので、不便きまわりなかったです。まだ、FAXや電話の方が遙かに便利な時代でした。
 とはいえ、振り返ってみると、このころが、自分がインターネットに初めて触れた時期でした。インターネット自体、まだ草創期で、実験的な意味合いが色濃く残っていた頃です。





5.インターネットとは?

  さて、現在では、世間で“インターネット”といえば、電子メールとウェッブページの二つのことをを意味することがほとんどです。でも、本来の意味は少し違います。電子メールやウェッブページのサービスがなくても、或いはなくなっても、インターネットはインターネットとして存在します。
 インターネット(internet)という単語は、inter(間とか、相互に、といったニュアンスの接頭語)とnet(ネット)を組み合わせた新語で、個別のネットワークとネットワークを相互に結ぶもの、或いはネットワークとネットワークの間にあるもの、といった意味の言葉です。すなわち、ネットワークとネットワークを相互に結んでしまうネット、というのが、本来の意味で、電子メールやウェッブページはその上で、提供されるサービス(サービスというよりはやりとりされる情報の一形態)の一つにすぎません。
 インターネットの草創期、いや誕生以前、個人のパソコンは完全にオールインワンでした。すなわち、パソコン一台一台ごとに、モニタ一台、プリンタ一台、外部記憶装置一台を接続しなければならず、それ自体で完全に独立し、帰結していました。オフィスレベルでも同様なものでした。その後、LAN(Local Area Network)とか、WAN(Wide Area Metwaork)といった、小規模のネットワークが普及します。企業レベル内、学校レベル内で、ネットワークを構築し、高価な機械やCPUを共有して使うという概念が生まれます。当然、各ネットワークで使用されているシステムの種類は様々でした。その次に、生まれたのが、インターネットです。これらの小中規模のネットワークを相互に結びつけようとしたものが、インターネットです。
 このインターネットの開発の基本コンセプトは、各コンピューターを識別できるように世界で唯一の固有の番号(現在では、IPアドレスなどと呼ばれています)を与え、各コンピュータ間で、ファイルのやりとりができるよう共通のプロトコルを確立することでした。とりわけ、共通のプロトコルや制御システムの確立は、各ネットが異なるシステムで運用されていただけに重要なことでした。そうやって、TCPやIP、FTP、DNS、リモートアクセスなど様々なルールや基準が開発作られていきました。現在確立されている、電子メール用のPOPやSMTP、ウェッブ用のHTTPなどと呼ばれるプロトコルは、いつもお世話になっているわけですが、パソコンとソフトが勝手にやっていてくれるので、使っている本人は、取り立てて意識することなく、使用しているわけです。
 遠方と遠方のネット間で情報をやりとりする場合、従来は、電話回線を使ったりしていたのですが、それとは全く別のシステムです。現在では、大変便利な技術として、利用されているインターネットですが、この技術自体、実はアメリカの軍が最初に開発を手がけたというですから、意外です。その後、大学やらコンピューター関連企業やら、色々な団体が実験に参加して行くわけです。
 インターネットは、アメリカで開発が最初に始められたこともあり、やはり一番進んでいます。その名のこりは今でも見られ、アメリカのドメイン名には現在でも、COM、ORG、NETなどとなっており、他の国のように国名が付きません(例、日本のドメイン名には、最後に日本(JAPAN)を意味するjpという文字がつきます)。最初は、アメリカ国内だけで開発利用されたわけで、国の識別コードがいらなかったというのは、ある意味当然でしょう。他にも、世界全体のウェブページにしめる英語ページの割合は50%以上。世界人口における英語圏の人口が10から20%ですから、ここにも、アメリカから始まった影響がかいまみられます。
 このインターネットという技術、基本的には、現在でもまだ完成していません。常に、新たな技術が導入され、実験と失敗を繰り返しています。そのため、常に問題が発生しますし、トラブルに巻き込まれる可能性を秘めています。この点は、特定の企業が運営し、トラブルに関して責任をもつ、パソコン通信や、あるいは電話のようなものとは大きく違います。





6.当時のインターネット

 さて、自分が初めてインターネットに触れた頃(93〜94)、コンピュータ開発技術者はのぞいて、ユーザにとっての、主流はTELNET(離れたところにあるコンピューターをコマンドで命令する。リモートアクセスのようなもの)とFTP(離れたところにあるコンピューター同士で、ファイルのやりとりをする)でした。電子メールはすでにありましたが、離れたところにいる友人で、電子メールアドレスをもっているひとがいなかったので、ほとんど使いませんでした。
 このころ、スイスだったかな?(ちょっと裏覚え)の研究グループが、ネット上で画像や文字を送信でき、情報のやりとりのできるHTTPを開発した頃です(もしかしたら、技術ではなく、ウェッブを表示させるための言語であるHTMLを開発したということだったかも)。とにかく、このころ、現在のウェッブページの元が誕生したのでした。技術自体はすばらしく、今のウェブを思い浮かべるまでもなく、便利なものなのですが、とにかく、当時の回線は細く、画像が載っているページを表示させようと思うと、1ページ表示させるのに、5〜10分くらいかかり、とても使い勝手がいいとは言い切れませんでした。当時ウェッブを見るためのブラウザはNCSA MOSAICといって、後にNetscapeを制作、会社まで作ってしまうことになるNCSAのグループが開発したフリーウエアがありました。しかし、これ英語版なので、日本語ページを見ても、時に文字化けしてどうしようもなかったりするから、さらに困りもんでした。
 さらにこのブラウザ、画像はGIF形式のものしか表示できませんでした。現在、写真などでは主流のJPEG形式を表示するためにはヘルパーアプリケーション(ブラウザ以外のソフト)が必要で、結構不便でした。このブラウザが、画像ファイル形式にGIFを採用したのは、当時、アメリカで一番大きかったパソコン通信の“compuserve”が、そのネットワークの中で、やりとりする画像ファイル形式に採用していたためと思われます。
 そのため、当時、現在のウエッブのような情報を表示させるものとしては、GOPHER(スペルが違うかも?)なるプロトコルがあり、そちらの方が便利でした。windows3のFile Manegerのようなもので、アクセスすると、ディレクトリ(フォルダ)が階層構造で表示され、それをクリックしていくと目的の情報にアクセスできるといったものです。現在ではなくなってしまいましたが。
 あと、便利だったのは、ネットニュースといったものです。NNTPとかいうプロトコルで動いていたもので、今のウエッブでいえば、掲示板に近い感じのものです。これは今でも残っており、NetscapeやExploerでも、見ることができます。





7.パソコン通信とインターネットの違い

パソコン通信とインターネットの違いは、だいたい上に説明したことで、おおよそわかるとと思います。パソコン通信はメインのホストコンピューターに全てのユーザーがアクセスし、利用します。基本的には、クローズドなネットワークです(そのネット内にサービスが限られていると言うこと)。それに対し、インターネットは、ネットとネットを網の目のように相互に繋いでくものですから、いろんな端末が、いろんな形で繋がっています。簡単に説明すると、右のような図になります。左側が、パソコン通信の模式図、右側がインターネットの模式図です。実際は、もっと多くのコンピューターが存在し、複雑になっているのですが、簡単に示すと、こんな感じのものです。
 セキュリティーの面では、パソコン通信は、ユーザーのコンピューターとユーザーのコンピューターが直接データのやりとりをすることはありません。必ず、ユーザーは中央にあるホストコンピューターにアクセスしなければなりません。そのため、クラッキングなどで、自分のコンピューターが侵入されるといったことは起きません。メールなども、ホストコンピュータを介して、ユーザー端末A→ホストコンピューター→ユーザー端末Bと流れますので、部外者は、ホストコンピューターをクラッキングする以外は、見ることはできません(パスワードとかを盗まれる場合は別です)。
 これに対し、インタネットでは、ネットに繋がれた端末には、どのマシンからでも直接アクセスすることが来ます(当然スイッチが入っているときだけです)。ダイアルアップでアクセスしている場合は、アクセスしている間だけということになります。実際にハッカー集団がクラッキングする場合、WINDOWSやMAC-OSで動いている、一般の人のパソコンを乗っ取ってもおもしろくないので、ねらわれるのは、企業や団体のサーバーマシンがほとんどです。このようなクラッキングが行えるのは、ネットに繋がっているマシンは、お互いに直接アクセスすることができるためです。
 またメールにしても、AさんがBさんに送った場合、直接コンピューターからコンピューターに送られるのではなく、実は、間に多くのコンピューターが介在しており、その間に盗み見される危険性があります。とはいえ、これらのことは、可能性としてあるだけで、実際には、いろんな対策がとられています。しかしながら、クラッカー集団に、現実にハッキングされるサーバーは後を絶たず、イタチごっこが続いているのが、現状です。
 ほんとは、ネットの知識の必要のないエンドユーザーにとって、パソコン通信が何であるか?インターネットが何であるか?などは、どうでもいいことなんです。現在では、従来のパソコン通信を提供していた会社も、インターネットにパソコン通信網を接続し、相互にサービスを乗り入れるようにしてきています。その結果、同じ様なサービスが提供されていたりするので、ごっちゃになったりする人がいますが、基本的には別々のことを指しています。
 ここまで、お読みになられた方、なかなか技術的なお話に入らないので、もしやじりじりされたりしているのでは。しばらくは、こんな、“昔を振り返って”のようなページが続きます。




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